7月30日(水)

 5時過ぎに目が覚める。昨日の夜、結局寝付けたのが2時過ぎ。今晩からはもっと安全なところでテントを張らなくてはならないな。

 しばらくして雨が降り出した。勢いがあるのできっと通り雨だろう。10分ぐらいでやはり雨はやんだ。近くのトイレで顔を洗ってテントを片づける。少し濡れているので乾かすのに時間がかかる。

 国道を歩いていると一台の北九州ナンバーのオフロードバイクが走り去って前の信号で止まった。女の子みたいだ。

 すぐに停止中のバイク追いついた。笑顔でメットをしたまま「こんにちわー」と言ってきたので、「こんにちわー。北九州からですか?(俺)」「はい」「どこから来たんですか?」「松山からです(俺)」すぐに信号は青になり、手を振って「がんばってくださーい」と声を掛け合った。うーんなんだか元気が出てきた。それにしてもおしい。

 その信号のそばにローソンがあった。ここで朝食を食べることができる。しかも、ローソンカードを持っているので支払いはカードでできるのが一番嬉しい。「ふん、旅の恥はかきすてじゃー。おにぎり1個でもカード使っちゃらぁ。」

 重たーいザックを背負って入店する俺にも店員は「いらっしゃいませー」と笑顔で挨拶する。なかなか良くできてるじゃないか。そして今の俺にとっては高級品のサンドイッチとヨーグルトを買う。水は公園で汲んできた物がある。 ローソンのショーウインドの前で食事をした後、このままノロノロ下道を行っていたのでは北海道へ到着しないと思って、新居浜インターチェンジの入り口まで歩いていった。

 そこで、「2時間でも待ってやらあ!」と長期戦のつもりで、ザックの上に腰掛けて何分で捕まるかなーと思ってストップウオッチのスタートボタンを押す。

 待つこと3分(笑)。一台の1BOXバンが止まったので側まで駆けていった。「松山までか?(ドライバー)」「すみません、高松方面なんです」残念ながら松山方面だったが、これは調子良さそうだ。

 さらに約4分後、4トントラックが止まって乗せてもらえた。笑ってしまうほどすぐに乗せてもらえた。「だいぶまっとったんか?(ドライバー)」「10分ぐらいです」「早いなぁ、すわっとったから相当たっとるとおもっとったで。」「ハハハ・・・」ザックの上に座ると疲れてるように見えて効果的らしいな。その人は高松まで行く人だったが、瀬戸大橋を渡りたいので豊浜のサービスエリア(SA)で降ろしてもらった。この場所は今年初めにヒッチしたときに苦労した場所でもある。

 トイレを済ませて急いで休憩中のトラックがいるかどうか探す。サービスエリアでのヒッチハイクはそこに止まっている車に限定される。高速道路へ出てひかれでもしたら大変だもんな。

 一台のタンクローリーがいたので声をかけに行く。「すみませーん」と声をかけると窓が開いた。「瀬戸大橋渡りたいんですけど、乗せてくれませんか?」「ええよーちょっと待ってや」と助手席のゴミなどをかたずけだした。なんていう幸運だろうか。そんな馬鹿なと言うほどヒッチは簡単だった。

 瀬戸大橋を渡るのには乗用車で片道6000円もする。この橋をタダで渡れるのだから大喜びである。降りるときに請求されたりしたらやだなぁ。

 相変わらずいつこの橋を渡っても大きさには圧倒される。車内からの写真を記念にとっておこう。

 このトラックに何を積んでいるのか聞くと雑誌などの表紙に使われる油脂だそうだ。雑誌の表紙がつるつるしていて写真みたいなのはこの油脂を使っているからだそうだ。

 「うちみたいな小さな会社のトラックは乗せてくれるけど大手のトラックは乗せてくれないからな」と、教えてくれた。大手の日通やフットワークなどは社内規則が厳しくて乗せてはくれないそうだ。もしも事故が起こった場合に保証できない上に会社に大きなダメージがあるそうだ。実際、今年初めのヒッチハイクではそんなこと気にせずバンバン声かけてたが、大手の運送会社の人は乗せてくれなかった。

 「大阪まで行くけどーそこまで乗っていくか?」「いえ、大阪の中のほうまで行くとそこから京都方面には行きづらくなるので、中国自動車道への分かれ道の手前でいいです。」前の時は大阪市内まで来てしまったために大阪−名古屋間を鉄道を使用して失敗したからだった。

 結局、竜野西SAで降ろしてもらった。いつもヒッチハイクで乗せてくれる人は親切で話の好きな人が多い。仕事も楽しそうにやってるからこっちも楽しくていい。運転しなくていいから疲れないしな。

 時間が11時半なので昼食をSAで食べる。結構早いペースだ。昼食が済んだ後にそこに止まっている10台ぐらい声をかけたが、断られる。車は多いが、しかも大阪までしか行かない車がほとんどだ。やはり本州に入ると冷たくされることが多いなぁ。

 ほとんどのドライバーが乗ってるトラックに声をかけたが、駄目だったので、駐車場のトラックが入れ替わるのを待つために、今晩泊まる予定の滋賀県の「多賀SA」と書いた紙を売店入り口のベンチに座って待っていた。かなり人が通るのでちょっと恥ずかしい。

 1時間経過しても目的地まで乗せてくれる人は現れなかったので、もう一度停まっているトラックに声をかけに行く。春日部ナンバーのトラックがいたので(春日部ってどこだろーなー)と思いつつ声をかける。すると若いアメリカンバイクにでも乗ってそうな兄ちゃんが「いいよ」と乗せてもらえた。助手席に乗せてもらうと一眼レフカメラを片づけていた。カメラが車内にあるトラックドライバーは珍しいなぁ。しかもヘルメットがある「アメリカン乗ってるんですか?(俺)」「違う違う通勤の原付の、アメリカン乗ってそうに見られてるけどね(笑)。」「写真撮っていたのですか?(俺)」「うん、ここのサービスエリアに鳥がいるので撮っていた所だったんですよ」

 うーん。今までにないタイプのトラックドライバーだ。「えっ?鳥ですか(俺)」「うん、鳥を撮るためにここにとまったんですよ。」車内にサイバーショット(デジタルカメラ)があった。「それデジタルカメラじゃないですか、パソコンも使ってはるんですか?」「うん」「ええっドライバーの人でパソコン使ってる人初めてですよ(俺)」と、実はこの人はプロ級のマッキントッシュ使い(百メガ以上のメモリー搭載して怪しいソフトウェアに精通しているのだ)でスピード狂(時速ウン百キロで走るのがすき)で動物が大好きな(普通の人じゃ飼えないオウムなど飼っている)趣味の人だった。

 その人(樽井さん)は東京の方まで行くのだったが、今回は北陸自動車道を通って行く予定なので、予定どおり多賀SAで降ろしてもらうことになった。

 そして多賀SAでラーメンをおごってもらった。ここの多賀ラーメンはなかなかおいしい。樽井さんはトラックから降りるとますますアメリカンバイクが似合いそうだ。指にはいろいろなシルバーのリングをつけている。「これが結婚指輪なんですよ」と、見せてもらったのも、シルバーだった。これから先もずっと付けていくのになぁ。奥さんに何をあげたのか興味が沸くところだ。

 別れた後、レストイン多賀へ行く。ここはお風呂があり、一泊することもできる。個室もあるが俺には休憩室で寝るのでさえ贅沢に思える。ここは最初の2時間が600円で1時間経過する毎に100円追加されるので一泊するのには安いが、湯につかるだけなら高いかも知れない。少し贅沢だが、夕方6時からチェックインした。さすがに旅の間の湯は「きもちいいー」

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